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小泉 興一; 中平 昌隆; 渋井 正直*; 高津 英幸; 多田 栄介
JAERI-Tech 96-048, 73 Pages, 1996/11
核融合実験炉の第一壁は、高熱負荷と粒子負荷により破損を被る可能性が極めて高く、破損時には容易に交換可能であることが要求される。この要求を満足するため重量物であるブランケット本体から機械的に分離し、独立冷却を行う第一壁を提案した。本提案の第一壁は、プラズマ対向部に金属金網を挟みこんだ薄肉二重壁構造を採用し、リークの発生を未然に防止するフェイル・セーフ機能を実現し、0.3MW/m以上の表面熱負荷と核発熱に対する除熱性能、並びに2MPaの面外方向電磁力に対する機械的強度を満足する信頼性の高い設計とした。小型パネル構造(~350kg/パネル)を有する本案の第一壁は、保守時間の短縮、放射性廃棄物の最小化等の利点も有している。本報告は、分離第一壁の本体構造、冷却、支持方式、熱構造解析と小型モックアップ試験による製作性とリーク検出特性評価試験の成果をとりまとめたものである。
小泉 興一; 渋井 正直*; 中平 昌隆; 高津 英幸; 多田 栄介; 関 昌弘; 常松 俊秀
Fusion Engineering and Design, 27, p.388 - 398, 1995/00
核融合実験炉の炉内機器の設計には遠隔保守との整合性を有することが要求される。特にプラズマからの高熱負荷と粒子負荷、ディスラプション時の巨大電磁力を受ける第一壁の場合には局所的な熱負荷のピーキングにより損傷を受ける可能性が大きく、遠隔保守によって容易に交換可能な構造が不可欠である。この要求を満足する概念として原研では大型・大重量構造物であるブランケットから機械的に分離された第一壁構造を提案している。本構造の特徴は、(1)軽量で組立・分解時の取扱いが容易、(2)休止時間の短縮が可能、(3)高い熱流束から分離してブランケットの熱応力が低減できる、(4)ブランケットより高温で第一壁の運動が可能である事である。構造は、フェイル・セーブ機能をもつ金属メッシュが挿入された信頼性の高い二重壁シェル構造を基本としており、0.3MW/m以上の高熱負荷条件でも低熱応力で運転が可能である。現在SS316のキルティング構造について検討を進めているが、Cu合金の採用も可能でありディスラプション時の電磁力低減のための電気接続にも効果的である。
渋井 正直*; 中平 昌隆; 多田 栄介; 高津 英幸
JAERI-M 94-074, 16 Pages, 1994/05
二重壁構造は、破断全漏洩や多経路荷重の概念を使えばフェールセーフにできる可能性があり、また微小リーク問題を解決できる可能性があるため、ITERの第一壁には有望である。フェールセーフ強度が都合良く定義できれば、損傷領域でのき裂の成長がある程度許されるため、プラズマ運転に支障をきたすことなく安定した冷却材のリークを検出することができる。本報告では、微小リーク問題を扱い、き裂状欠陥からの冷却材の微小リーク量を評価する手法を提案する。更に、この微小リーク問題を解決するための二重壁・フェールセーフ第一壁構造を提案し、そのフェールセーフ性を議論する。